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レギュラーコラム 長澤一浩

[2008年12月25日]
第17回「肥後ッ子 大石家」




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 見ないようにしてても、気付くとついつい目で追ってしまうのが……カリナですね。



 サウナに行くと、いろんな人がいて、股間の隠し方ひとつでも、いろんなタイプがある。



 まずタイプA〜 いちおうタオルを持って入り、人の顔の前を通る時など、見苦しいもん(カリナ)を、エチケットとして隠す。ほとんどの人がこうだと思います。


 次に、タイプB〜 とにかく絶対に見えないように、かたくななまでにカリナをタオルでガードしている自意識過剰タイプ。
 これは、わりかし、ただそこにいるだけの思春期の若者に多い。
 そんなに隠すと、逆に気になるさ。


 タイプC〜 自信があるのか、これみよがしにカリナを誇示し、スキあらばミラーで自分の肉体を確認している。
 これは、ティップネスなんかでよく見かける。
 当然そのお宝は、立派(ライチ!)だったりする。
 ゴッド・セイブ・ザ・クイーンナ。


 タイプD〜 今のアタシがこのタイプ(カセイ人)だが、隠していると思われるのがハズかしいので、あえて隠さない(ノーガード戦法)ということで視線をそらさせる。
隠さないと、不思議と見られなかったりするのです。


 そしてタイプE〜
 このタイプはすごい。
 隠すとかそういう概念すらない。
 他人がどう思うとか、そんな事すら思い浮かばず、自分という宇宙(コスモス)と交信し、現在(NOW HERE)という自由(ミッション)に向ってまい進し続けている。
 カンタンにいうと、会話がひとりごとの事が多い。
 社交的だが人の話はあんまり聞いてない。なぜかプラス思考だ。
 空気は、読まない。
 宇宙(コスモス)には、空気は無いからだ。
 当然、他人のカリナなど目に入るハズもなく、自身のカリナの存在さえ忘れてる場合が、多い。
 これは、まれなる真性自由人でタイプというカテゴリーに収まるタマではない。
 ダメ出しなどという重力負荷をかけたところで、ポジティブに変換してしまうので、糸が切れたタコのようにさらに軽く、軽く無重力空間にエスケープしてしまう。
 山本寛斎などが、この系統におもわれる。
 ゆいいつ、浮き沈みの激しいのがウィークポイントだが、立ち直りも早いので平気で世界をめざしたりする。
 男の子にとっては、うらやましい存在だ。なにより自由だ。


 そんなぶっとび系のタイプEに違いない(直感)E感じの店主・大石明治さんのお店、肥後ッ子大石家を紹介させていただきやす。
 JRの淵野辺駅にありやす。
 面白い人です。バツ4(フォー)らしい。(負けた。アタシはバツイチだ。)
 今はおちついた感じの枯れたいい味出してるが、かなり無茶して生きてきたフンイキが見てとられ、風貌はロックテイストだ。
 ダウンタウンブギウギバンド時代の宇崎竜童に似てる。
 気のE話好きの陽気な兄ちゃん風だ。(とても61歳には見えない。)


 店内はキタなく、後から気付くのだが、普段着でラーメンを作っている。
 週休3日制を導入している。自由だ。
 メニューは、熊本ラーメン(600えん)と大盛(700えん)しかない。
 持ち込みは自由なので、酒や弁当やスウィーツなどを持ち込むのもアリだ。


 年に1回くらいしか行かないので、アタシのことは知らないと思うが、いつも小1時間くらい話をしてなかなか帰してくれない。


 九州男児特有のあけっぴろげで太っ腹な性格からか、ラーメンの作り方や、英会話とかを、こちらの意思とは関係なく教えようとしてくれる。


 ふつうラーメン屋というと秘伝の味とか言って隠したがるもんだが、この兄やんはどこまでもあけっぴろげで、教えたくて教えたくてしょうがないという感じだ。
 (ちなみに同じ九州のめんたいこには、登録商標の特許がされてなく、九州の気質なのか共有財産というノリらしい〜。太っ腹や)

 ン十万円で教えます。と、書いてあったが、無料でも教えるにちがいない。
 というか、すでにチョット教えられた。

 豚の頭の骨を2時間煮込み、その一番搾り的なスープを惜しげもなく「これは、アク!」と言って全部捨て、そこから下処理した骨のみをさらに6時間かけて本炊きスープをとる。
 「ミルクだよ、ミルク。カルシウムね、栄養満点!」どこまでも陽気な兄やん。


 チャーシューは、豚バラではなく、内もも豚ロースを本炊きスープで煮込んでいるので、ひと味もふた味も違う。
 麺は打ち立ての自家製麺だ。
 「打ち立てが一番ウマい。」と兄やん。
 仕上げに、油で炒めたニンニクチップを乗せ、煮玉子、キクラゲ、絶品チャーシュー、とろけるチーズを乗せた大石家の熊本ラーメンをすすると、なぜかピーナッツクリームのような芳醇な香りに包まれる。
 ワイルドな豚くささは微塵もなく、ウマさだけがエレガントにズ〜〜ンと脳に響きわたる。
 自由な笑顔のその下のCOOLな職人魂が垣間見える瞬間だ。


 となりの女性客が「おーいしーいっ。」と、言うと兄やんはすかさず「だって、おーいしやだからっ、おーいしーっ!」、「おーいしやだから、おーいしーっ」、と悪びれず2回言ってうなずいていた。
 「なっ。」
 コスモス街道、セイッみたいな。


 帰り間際、大石兄やんが自分で編集したと思われる、大石家がTVに出た時のヒストリーみたいなDVDをくれた。


 家で見てみるとTV番組でも「かんたん、かんたん誰でも出来る!!」と、善意のかたまりのように教えまくっていた。


 教えられてるアナウンサーが、「嫁と、ラーメンとどちらが大事ですか??」と、質問すると、明るく「49対51でラーメンかな。」と笑って答えていた。
さすがバツ4(フォー)的なBABY。


 ラーメンに取り憑かれ、カリナの存在すら忘れるほど、全神経を注ぎ込んだラフ&タフな一杯は、あなたに本物の自由の素晴らしさと影のキビしさの両面を教えてくれるにちがいない。
 アタシの場合フリーダム・スピリットの勉強に行ってるという感じです。(自由研究みたいな)


 淵野辺へ行っちゃえ〜行っちゃえ〜もっと、自由に。
 イッちゃえ〜  自由だ。 淵野辺ってどこ? って感じだべ?
 淵野辺には、ディスクユニオンもあります。
 関係ないけど。 自由だ。


 もらったDVDの最後には、なぜか浴衣の着付方がオプションとして入っていた。
 どこまで教えたいんだ!!?
 どんだけ〜〜っ?!!みたいな師走。


 BGMは、兄やんのリクエストで甲斐バンドの安奈でお願いします。
 安奈〜クリスマス・キャンドルの灯は ゆれているかい〜 っつってーっ。


肥後っ子 大石家

相模原市鹿沼台1-1-1
042-754-3990
12:00〜15:00 18:00〜22:00
休み 火、水、木(注意!)
JR淵野辺駅から4分 線路沿い 矢部方面
P2台
カウンター7席



第16回「覆面」はコチラから。



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